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『第一容疑者 希望のかけら』

ずいぶん前に録画しておいた、
『第一容疑者 希望のかけら(PRIME SUSPECT -THE FINAL ACT)』
をやっとこさ観ました。

主人公のジェーン・テニスン警視を演じる、
ヘレン・ミレン…わたし大好きな女優さんなのですが、
このドラマは結構重めの本格刑事ドラマなので、観るのにちょっと覚悟がいる。
なのでコンディションを整えて観ました。
なにしろ第一作を観た時はずーんと重い気分になったよ…。
男尊女卑・女性蔑視の警察内部(そういう時代だったのかもしれないけど)で
孤軍奮闘するジェーンは格好いいけれど、
あまりの待遇のひどさに痛々しさを感じてしまったり…。

今回は、ジェーンもいよいよ定年間近。
アルコール依存気味なのは、ずっと身を捧げてきた仕事から
退かないといけない日が迫ってきたからか…。
(それにしても、あんなにお酒飲んでの運転や勤務、
イギリスだってまずいよね〜?特に警察ですよ)
そんな中に起こる、14歳の少女の行方不明事件。
少女のお父さんの悲しむ様が本当につらい。
(お父さん役のゲイリー・ルイス、
『リトル・ダンサー』のパパ役でも、とてもいい演技でした)
最悪の状況に事件とプライベートが進む中、
お酒がやめられないジェーン…
そこで、あの因縁の相手、ビル・オトリーとの再会がまた良かった。
やはり年をとると、お互いを認め合い、許せる様になるんでしょうか。

この主人公、ジェーンは聖人君子では決してないんですよね。
男性問題やお酒など失敗も数多くするし、
ときには行き過ぎた捜査もあり。
感情的に激昂するし、
上司や部下に「うるさいおばさん」と煙たがれるのもわかる気がすることも…。
でも、悩んだり孤独と戦いながら、
自分の信念と選択を曲げずに戦い続ける、
そのガッツが何よりすごい。 
こういう両面が人間らしいというか、すごくリアリティを感じさせられ、
どんどん引き込まれるドラマなんですよね。

取り調べの前や上司に呼び出される前、
化粧室で鏡に向かい、自分に言い聞かせる様に身繕いをして、
しゃんとして部屋に向かうシーンが頻繁に出てきますが、
あれ、よくわかるなあ〜。
女性は、ああやって、自分に活を入れますね。

邦題の「希望のかけら」、いいサブタイトルですね。
どんなときも人が求めて生きていくものが希望。
少女のお父さんの最後の言葉、「朝目が覚めて一歩前進、お茶をいれてまた一歩」
じーんときました。
by banoffi | 2010-08-27 08:00 | drama & cinema(UK)
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